【知っておきたい】老人ホームの入居金とは？その仕組みと相場

2025年6月14日

高齢化社会が進む中で、老人ホームへの関心が高まっています。しかし、「老人ホームに入るためにはどれくらいの入居金が必要なのか？」や「その仕組みはどうなっているのか？」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか？

この記事では、老人ホームの入居金について詳しく解説します。「入居金」とは何か、どのように設定されるのか、さらに相場はどれくらいなのかなど、知っておくべき情報をわかりやすくお伝えします。

具体的には、入居金の仕組み、種類、そして地域による相場の違いについても触れていきます。これを読めば、老人ホーム選びの際に必要な知識を持つことができ、より安心して検討を進められるでしょう。さあ、一緒に老人ホームの入居金の真実を探っていきましょう。

老人ホーム　入居金　仕組みの基本

老人ホームとは？

老人ホームとは、高齢者が介護や生活支援を受けながら、安心して暮らせる住まいのことです。主に以下のような種類があります。

特別養護老人ホーム（特養）：要介護3以上の方が対象。公的施設で比較的費用が安い。
介護付き有料老人ホーム：介護サービスが常駐。民間運営でサービスが充実している。
住宅型有料老人ホーム：介護サービスは外部から利用する形式。自立や要支援の方も入居可能。
サービス付き高齢者向け住宅（サ高住）：自由度が高く、生活支援中心の高齢者向け住居。

入居金の定義と役割

入居金とは、老人ホームに入居する際に支払う一時金で、施設によって「前払金」「入居一時金」「保証金」とも呼ばれます。主に以下のような役割を担います。

長期間の利用を前提とした「居住権」の確保
初期費用として施設運営の安定化に充てられる
入居者が途中で退去した場合、未償却分が返還されるケースもある

入居金の支払い方法

入居金の支払い方法は、主に以下の2つです。

一括払い：入居時にまとまった額を支払う方式。月額費用が抑えられるケースが多い。
月払い（ゼロ円プラン）：入居金を支払わず、毎月の利用料が割高になるプラン。資金に余裕がない人に向いている。

施設によって支払い方式が選べる場合もあるので、自身のライフプランに合ったものを選ぶことが大切です。

老人ホーム　入居金　仕組みと費用の相場

入居金の相場とは？

入居金の相場は施設の種類や地域、設備の内容によって大きく異なります。おおよその目安は以下のとおりです。

特養：無料～数十万円（公的施設のため安価）
介護付き有料老人ホーム：0円～数千万円（平均は500万円前後）
住宅型有料老人ホーム：100万円～1,000万円
サ高住：無料～数百万円

高額な施設ほど、立地や設備、医療体制などが充実している傾向があります。

地域別の入居金の違い

地域によって入居金の水準は大きく異なります。以下のような傾向があります。

首都圏・都市部：土地価格が高く、入居金も高額になりがち
地方都市や郊外：入居金は比較的低め。月額費用も抑えやすい

同じサービス内容でも立地が違うだけで費用が大きく変わるため、エリア選定は重要です。

入居金以外にかかる費用

入居後には以下のような費用もかかります。

月額利用料：家賃、食費、管理費、介護サービス費など（15万〜30万円が相場）
医療費・薬代：施設外の医療機関を利用した場合
オプションサービス費：理美容、レクリエーション、個別対応など

入居金だけでなく、毎月かかる費用とのバランスも重要です。

入居金を支払うべきかどうかの判断基準

自身の生活スタイルとの適合性

入居金を支払う価値があるかは、自分の生活スタイルにどれだけフィットしているかがカギです。

長期間住む予定がある場合：入居金を支払って月額費用を抑えるのが得策
一時的な利用や将来的に住み替えを考えている場合：入居金ゼロプランや賃貸型が向いている

施設のサービス内容と入居金の関係

高額な入居金を設定している施設ほど、以下のようなサービスが充実しています。

看取り対応や24時間看護
個室、広い共用スペース
食事の選択肢やイベントの豊富さ

入居金が高い＝サービスが良いとは限りませんが、内容をよく確認することで納得のいく選択が可能になります。

家族の意見と経済的な考慮

本人だけでなく、家族の意見も入居金の支払い判断に重要な役割を果たします。

将来の介護負担を軽減できるか
親族で資金を補助できるか
不動産や資産の活用可能性

家族でよく話し合い、今後の生活設計を踏まえた選択が求められます。

老人ホーム入居金の仕組みと料金プランの具体例

有料老人ホームの料金プランの種類

有料老人ホームには大きく3つの料金プランがあります。

一時金方式
入居時にまとまった金額（例：500万円など）を前払いで支払う方式です。
毎月の支払い額が少なくなる反面、初期負担が大きく、途中退去時の返金条件なども確認が必要です。
月払い方式（ゼロ円プラン）
入居金は不要で、月額費用が割高になるプランです。
初期費用がかからず入居しやすい一方で、長期入居すると一時金方式よりも費用がかさむことがあります。
選択方式
一時金を支払うか、支払わずに月払いにするかを選べる柔軟なプランです。
自身の資産状況やライフスタイルに応じてプラン選びが可能です。

たとえば、500万円の入居一時金を支払い月額15万円で暮らすプランと、入居金ゼロで月額25万円のプランを比較すると、3年以上の入居で一時金方式の方がトータルコストが安くなるケースもあります。

介護付き老人ホームの費用体系

介護付き老人ホームでは、入居金と月額利用料で構成される明確な料金体系になっています。

入居金：0円〜1,000万円程度（施設により幅あり）
月額利用料：家賃・食費・管理費・介護サービス費などを含み、20〜35万円程度が相場です。

要介護度が進行した場合に加算料金が発生することもあり、契約前にその詳細を確認しておく必要があります。施設によっては「終身契約」が設定されているため、途中退去時の返還ルールも契約書で確認しましょう。

入居金の返還制度の仕組み

一時金方式の施設では、途中退去時に未償却分が返還される制度があります。

償却期間：通常は5年などと決められており、期間内に退去した場合、未償却分が返還されます。
初期償却：契約と同時に一定割合（例：20％）が償却され、返還対象外となることもあります。
返還の例：入居金600万円・償却期間5年で2年後に退去した場合、初期償却を除いて約240万円が返還されます。

返還制度は施設ごとに条件が異なるため、契約前に詳細を必ず確認しましょう。

有料老人ホーム契約時に知っておくべき基本事項

契約前に確認しておきたいポイント

契約時にチェックすべき重要な項目は次の通りです。

契約形態（利用権方式 or 賃貸借方式）
入居金の返還条件と償却期間
退去時の手続き内容と費用負担
医療・看護体制の充実度
介護度が進行した場合の追加費用の有無

これらはすべて契約書や重要事項説明書に明記されているため、事前に不明点を解消しておくことが大切です。

契約形態の違いと特徴

契約形態には主に以下の2つがあります。

利用権方式
施設を「利用する権利」を購入する形です。資産として残るわけではありませんが、長期入居前提で設計されており、返還金制度があることが一般的です。
賃貸借方式
月額家賃を支払って入居する形式です。不動産の賃貸契約に近く、更新制がある場合もあります。初期費用を抑えられる反面、月額費用はやや高めになる傾向があります。

ほとんどの有料老人ホームでは「利用権方式」が主流です。